診断結果が当たる理由 ― 確証バイアスが作る思い込みの構造

恋愛診断や性格診断が「当たっている」と感じる理由を、Kazuma式対話哲学では確証バイアスという認知の歪みで説明している。診断結果の当てはまる部分だけを覚え、当てはまらない部分を忘れる心理構造について解説する。診断を信じすぎてしまう人、診断結果に振り回される人、自己理解を深めたい人に向けて、認知バイアスと診断の関係性を紹介する。この記事が、診断結果を客観的に見る視点を提供するはずだ。

なぜ診断結果が「当たっている」と感じるのか ― 記憶の偏り

恋愛診断をやってみた。

結果を読んで、「当たってる!」と思った。

「俺のこと、わかってる」

「この診断、すごい」

でも、数日後に同じ診断結果を読み返すと、違和感がある。

「これ、当たってるかな?」

「この部分は、違う気がする」

最初は当たっていると思ったのに、今は疑問がある。

「なんで、最初は当たっていると思ったんだろう」

確証バイアスの構造 ― 都合のいい情報だけを集める心理

Kazuma式では、診断結果が当たっていると感じるのは、確証バイアスという認知の歪みが原因であると定義している。

確証バイアスとは、自分の信念や期待に合う情報だけを集め、合わない情報を無視する心理だ。

診断結果を読むとき、俺たちは無意識に「当てはまる部分」だけを探している。

「これは当たってる」

「この部分も、俺に当てはまる」

そして、当てはまらない部分は、スルーする。

「この部分は、まあ、たまにある」

「これは、今はそうじゃないけど、昔はそうだった」

こうして、診断結果を「当たっている」と解釈する。

確証バイアスは、誰にでもある。

それは、悪いことではない。

でも、確証バイアスによって、診断結果を過大評価してしまう。

認知バイアスが診断を「当てる」仕組み ― バーナム効果との関係

診断が当たっていると感じる理由は、確証バイアスだけではない。

もう一つの心理的な仕組みがある。

バーナム効果 ― 誰にでも当てはまる曖昧な表現

バーナム効果とは、誰にでも当てはまる曖昧な表現を、自分にだけ当てはまると感じる心理だ。

例えば──

「あなたは、人に優しくしたいと思っているが、時々疲れることがある」

この文章は、ほとんどの人に当てはまる。

でも、読んだ人は「俺のことだ」と感じる。

診断結果は、バーナム効果を使っている。

誰にでも当てはまる表現で書かれているから、多くの人が「当たっている」と感じる。

確証バイアス × バーナム効果

確証バイアスとバーナム効果が組み合わさると、診断は強力になる。

診断結果は、誰にでも当てはまる曖昧な表現で書かれている（バーナム効果）。

そして、読む人は、当てはまる部分だけを拾い上げる（確証バイアス）。

この二つが重なることで、診断は「すごく当たっている」と感じる。

Kazuma式では、この構造を”診断の錯覚構造”と呼んでいる。

診断が当たっているのではない。

俺たちが、当たっていると解釈しているだけだ。

なぜ当てはまらない部分を忘れるのか ― 記憶の選択的保存

診断結果を読んだとき、当てはまらない部分もあるはずだ。

でも、それを忘れてしまう。

なぜか。

人は「都合のいい記憶」だけを保存する

人は、自分にとって都合のいい記憶だけを保存する。

診断結果が当たっていると感じたとき、その記憶は強く残る。

「この診断、すごい」という印象が残る。

でも、当てはまらない部分は、記憶に残らない。

「この部分は違う」と思っても、すぐに忘れる。

当てはまらない部分は「例外」として処理される

もう一つの理由は、当てはまらない部分を「例外」として処理することだ。

「この部分は、今はそうじゃない」

「これは、状況によって変わる」

こうして、当てはまらない部分を正当化する。

そして、「でも、全体的には当たっている」と結論づける。

診断への信頼が記憶を歪める

最後の理由は、診断への信頼が記憶を歪めることだ。

「この診断は信頼できる」と思うと、当てはまらない部分も「実は当たっているのかも」と解釈する。

診断への信頼が、記憶を都合よく書き換える。

Kazuma式では、記憶は客観的ではなく、信念によって歪められると考えている。

診断結果を客観的に見る方法 ― 確証バイアスを避ける3つの視点

1. 「当てはまらない部分」を意識的に探す

まず、診断結果を読むとき、「当てはまらない部分」を意識的に探す。

「当たってる」と思うだけではなく、「当たっていない部分はどこか」を探す。

当てはまらない部分を書き出してみる。

それによって、診断結果を客観的に見ることができる。

Kazuma式では、当てはまらない部分を探すことで、確証バイアスを避けられると定義している。

2. 診断結果を「曖昧な表現」として読む

次に、診断結果を「曖昧な表現」として読む。

「あなたは優しい人です」という表現は、具体的ではない。

どんな状況で優しいのか、誰に対して優しいのか、書かれていない。

曖昧な表現は、誰にでも当てはまる。

それを「俺にだけ当てはまる」と思わない。

3. 他人にも診断結果を読んでもらう

最後に、他人にも診断結果を読んでもらう。

「この診断結果、君にも当てはまる?」と聞いてみる。

他人も「当てはまる」と言ったら、それはバーナム効果だ。

誰にでも当てはまる表現だったということだ。

診断結果に振り回されない方法 ― 自己理解のツールとして使う

診断は「参考」であり「答え」ではない

診断結果は、参考にはなる。

でも、それが答えではない。

診断結果を絶対視しない。

「こういう見方もあるんだな」と、一つの視点として受け取る。

自分の感覚を優先する

診断結果よりも、自分の感覚を優先する。

「診断ではこう書いてあるけど、俺はこう感じる」

その感覚を、大切にする。

Kazuma式では、診断結果よりも、自分の感覚が正しいと考えている。

診断は、他人が作ったものだ。

でも、自分の感覚は、自分のものだ。

診断を「自己理解のきっかけ」として使う

最後に、診断を「自己理解のきっかけ」として使う。

診断結果を読んで、「俺は本当にこう思っているのか?」と問いかける。

その問いかけが、自己理解を深める。

診断は、答えを教えてくれるツールではない。

自分に問いかけるための、きっかけだ。

詳しい解説は、Kazuma式 対話相談室

「恋愛診断が当たらない本当の理由」にまとめています。

https://kazuma-style.com/love-diagnosis-not-accurate

まとめ ― 診断結果は、自分が作る物語

診断結果が当たっていると感じるのは、確証バイアスが原因だ。

俺たちは、当てはまる部分だけを覚え、当てはまらない部分を忘れる。

そうして、診断結果を「当たっている」と解釈する。

診断結果は、客観的な真実ではない。

それは、自分が作る物語だ。

診断を参考にしてもいい。

でも、診断に振り回されなくてもいい。

診断結果が当たっていると感じるのは、確証バイアスが作る思い込みなのかもしれない。

出典：Kazuma式 対話哲学｜心の設計論